コロナ後の目指すべき社会において医療・介護の課題はIT活用による効率化で解決【時論提言】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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コロナ後の目指すべき社会において医療・介護の課題はIT活用による効率化で解決【時論提言】

来るウイルス共生社会と加速する高齢化社会への提言

◼️医療・介護現場の未来は業務効率化が鍵

 ───) カナミックネットワークの事業である医療・介護サービス支援は、今後どのように変わっていくとお考えですか?

 ●山本) 私見ですが、マスコミ等がしきりに煽るほど、医療現場は崩壊していません。ただし、これはコロナの治療に関して崩壊していないというだけです。というのも、手術が必要な重い病気の患者などの治療・手術は現状、新型コロナが陰性でなければ受けられない病院も増えています。新型コロナウイルスの症状のない人がPCR検査を受ける体制には現状なっていないため、陰性と確定することが難しく、他の疾病・疾患の治療ではすでに医療崩壊が始まっているといっていいでしょう。「ウィズコロナ」には、まずこの問題を建て直すことが急務です。

 ───) 介護の分野はいかがでしょう。

 ●山本) 現在全国で880の介護事業所が休業に追いやられているとニュースが流れています。休業要請に従っているのではありません。自主休業せざるを得ないのです。なぜなら、要介護者は高齢者が多く、免疫力に不安があるため、介護従事者たちが感染させてしまうことを恐れ、直接接触できないでいるからです。この結果、デイサービス等が休業し、要介護者を持つ世帯の人が日中に在宅介護をしないといけなくなり、仕事を辞めなくてはならない事態が起きています。この状態が続くと、失業率のアップにつながりかねません。介護と経済が連動して、“負のスパイラル”に陥る危険すらはらんでいます。

 ───) たしかに…では、介護領域の危険はどうすれば回避できるのでしょう?

 ●山本) これらの対策に有効なのは、やはり介護従事者の仕事を効率化することでしょう。従事者たちが、なるべく満員電車に乗らずに職場へ行けるような環境を整備したり、これまで煩雑であった事務仕事をペーパーレス化して、テレワークでできるようにIT化することが急がれます。その効率化・IT化に貢献できるのが、弊社の推進する「地域包括ケア」クラウドサービスであると考えます。

 もちろん、消毒液・マスク・紫外線殺菌などの感染対策をしっかりと行えるように医療・介護・保育に優先的にこういった製品が行き渡る必要もあります。

 コロナによって日本社会は変化を余儀なくされると言われていますね。その第一歩として改善しなければならないのは、医療と介護の仕事をより効率化し、従事者たちを手助けしていくことに他ならないと、私は確信しています。


 いまなお予断を許さない状況ではあるが、来るコロナ収束後も現代進行形で超高齢化社会を突き進む日本において、医療・介護領域のIT化が極めて効果的であると、山本社長との話を終えて改めて痛感した。

 このコロナ禍でリモートが一般化したように、スローガンやポーズとしての「ICT推進」ではなく、東京都多職種連携ポータルサイトのようなサービスが数多くリリースされていけば、これから起こる様々な課題もきっと乗り越えることができるのではないだろうか。

 

 

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山本 拓真

やまもと たくま

株式会社カナミックネットワーク代表取締役社長。 2000年、株式会社富士通システムソリューションズ(現富士通株式会社)を経て05年、同社常務取締役、07年専務取締役。11年、国立大学法人東京大学高齢社会総合研究機構研究員、12年、国立研究開発法人国立ガン研究センター外来研究員。14年9月より同社代表取締役社長(現任)、16年東証マザーズ上場、18年東証一部上場。 →【YouTubeチャンネル】 『山本拓真の超高齢社会にイノベーションを巻き起こせ!』

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